どうせなら好みの女の子をしっかりと伝えましょう


どうせなら好みの女の子をしっかりと伝えましょうブログ:25 2 16


母は俺が大学受験で上京する時、
三十センチ四方もある巨大な弁当を持たせてくれました。
それは百科事典のような豪華さでした。

俺は巨大な弁当に注がれる周囲の客の視線を気にしながら、
フタを少しだけ持ち上げ箸を突っ込み、
わずか三口か四口食べただけで網棚に仕舞い込んだのでした。

恥ずかしさのあまり
駅で風呂敷ごと捨ててしまった俺は、
今になって、あの巨大な弁当に込められた
母の計り知れない大きな愛を感じています。

父が始めた商売がなかなか軌道に乗らず、
どんな辛く苦しい思いをしたか、
当時の俺には想像もつきませんでした。

生意気盛りの反抗期の俺は、
母が風呂の燃料用にと魚屋さんからもらった古い魚箱を
リヤカーで運ぶこともせず、斧で割ることもしませんでした。

滞納した授業料を催促する俺に、
どんな思いで「もう少し待ちなさい」と言ったことでしょう。

通学定期も満足に買えなかった貧乏の中で、
新聞奨学生となって大学に行くと宣言した俺を、
金銭的援助の出来なかった母は、
どんな思いで駅のホームから見送ったことでしょう。

俺が上京してから服やおやつを送ってくれた時、
一緒に入れてあった五千円札が思い出されます。
毎回判で押したような、
母の生活上の注意の手紙が思い出されます。

母の愛を俺はずいぶん裏切りました。
でも、それでもなお、母は俺を愛し続けてくれました。
その愛情の深さに、俺はおびえるほどです。

三人のお子様の父となった四十九歳の男の子が今、
泣きながら、鼻をかみながら、この手紙を書いていることで、
父母不孝の何分の一かでも許して欲しいと思っているのです。

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